HOMETOWN - YASUSHI NAKAMURA
HOMETOWN - YASUSHI NAKAMURA
様々な価値観が行き交う街「HOMETOWN」。NYのジャズシーンで、今や最重要ベーシストとなった中村恭士。進化した超絶ベースサウンドが魂をも震わせる!
力強くも軽快なグルーヴ感と、包み込むようなやさしい歌心。中村恭士の奏でる音は現在のNYジャズジーンにおいて必要不可欠と言えよう。この一年で彼を取り巻く環境は大きく変化した。前作『A LIFETIME TREASURE』を世に出し、規格外の日本人ベーシストとして世間に知られるようになった。レジェンドと呼ばれる巨匠のサポートから、フリージャズ、オールジャンルまでこなす彼のプレイスタイルは幅広く、ファースト・コール・ベーシストとして名高いのも納得である。今作品のリラックスした安定感と、何度も繰り返し聴きたくなる仕上がりになったのは、前作に引き続き息のあったパートナー、ローレンス・フィールズとクラレンス・ペンを起用したことによるだろう。
Tr.1は中村の作曲であり、張り詰めるテンションと疾走感が心地良い。タイトルに因んで肉で例えるならば、プライムアンガスビーフを塩コショウでシンプルに調理した肉厚でワイルドなステーキのようだ。Tr.4は、とある人物の内面を表現する哀愁や孤独がじんわり伝わってくる。Tr.05は中村が敬愛するベーシスト、レイ・ブラウンに捧げた曲である。Tr.7のアレンジには驚愕のあまり思わず「こう来るか!」と漏らしてしまう。Tr.10の “PP” その意味は?ズバリ”パリピ”(パーティ・ピープル)である。ゲストに今話題のキーボーディストにして中村の学生時代からの盟友、BIGYUKIをフューチャーし、モーグシンセの音色が絶妙に絡みつくナンバーである。
年中、彼はベースと共に世界を飛び回る超多忙な日々を過ごしている。その旅先に居る人々は彼を暖かく迎え入れる。人種・宗教・性別の向こう側、様々な価値観の仲間との繋がりが彼にとっての居場所=すなわち「HOMETOWN」なのである。グローバルに飛躍する中村恭士の今後に目が離せない。未来の音楽シーンは彼らに託されている。
FEATURED ARTISTS
Yasushi Nakamura : bass
Lawrence Fields : piano
Clarence Penn : drums
TRACKLIST