THINK BACH - EDOUARD FERLET
THINK BACH - EDOUARD FERLET
THINK BACH
エドゥアール・フェルレ (ピアノ・ソロ)
Release Date : 09/21/2012
Product Number : MEL666011
Recording : 2012
Format : CD
美しい余韻が耳から離れない。繰り返し繰り返し聴きたくなる中毒性。現代最高のピアノトリオ、ジャン=フィリップ・ヴィレ・トリオのピアニスト、エドゥアール・フェルレが“音楽の父”バッハと真摯に向かい合った傑作。
バッハを思考する。さすがエドゥアール・フェルレ。現代最高のピアノトリオ、ジャン=フィリップ・ヴィレ・トリオのピアニストである。“音楽の父”と称された巨匠を敬愛し、真摯に向かい合い、一世一代の大仕事やって退けたという事実が、このタイトルから容易に理解できよう。
なんと衝撃的な低域の共鳴であろう。これがピアノから発せられた音なのか?一音一発すでに度肝を抜かされる「Analecta」。凄まじきオープニング・トラック。この期待感。この先いったいどうなるのだろう。
ピアノは鍵盤楽器であると同時に弦楽器であり、打楽器なんだということを思い知らされる。鍵を押せばその鍵に連動したハンマーが弦を叩いて音が出る。という仕組みがまるで見えるように、ナマナマしい風景が見える。その実在感のある演奏と音楽の前に、圧倒されたかと思いきや、徐々に透明感に溢れた粒立ちの良い音色と比類なき美しきメロディーに、いつしか心地よく身を委ねている。これは全ての曲に当てはまるのだが、着地点はいつも極上の風景が用意され、夢心地にいることに気付かされる。硬質かとおもえばなめらかで、はたまた大胆さと繊細さを併せ持つタッチは変幻自在。これこそがフェルレ・ワールドの真骨頂か。
特筆すべきは「Souffle Magnetique」の空間の隅々に深く深く響く。フェルレはバッハの時代にはなかった、21世紀のヤマハのコンサートグランドピアノCFXで、ピアノの持つ尽きることのない可能性を追求している。
エンディング・トラックは、飛び跳ねるような躍動感に満ち、紡ぎだされる音色が煌めく「Replique」でパーフェクトに終える。この読後感にも似た心地よさ。ソロ作品で、こんなにも多彩な音楽があるのか。
美しい余韻が耳から離れない。繰り返し繰り返し聴きたくなる中毒性。これこそ傑作の証だ。
FEATURED ARTISTS
Edouard Ferlet : piano
TRACKLIST