VOICI MA MAIN - PIERRE-ALAIN GOUALCH TRIO
VOICI MA MAIN - PIERRE-ALAIN GOUALCH TRIO
ピエール=アラン・ゴルシュ・トリオ
Release Date : 05/27/2003
Product Number : AS028
Recording : 1996
Format : CD
隠れていた星。フランスの地方都市が生んだ「隠れ名盤」の登場!技術、才気と叙情性を兼ね備えた逸材はこの発見で明星となる!アップな曲ではスリリングに、バラードでの淡い感傷は心地よく印象的だ。
夜空の星はいくつくらいあるかご存知か?答えはそう、「数え切れない」なればこそ「星の数ほど」という表現がある。ピアノ・トリオのレコードもそれと同じで、いかなるマニアと言えども知らないものがあるというのは、天文学者にして全天の星を把握していないのと同じことだ。雲に隠れているほしだってあるだろう。
このアルバムは97年に世に出ていたわけだからさしずめ5年ばかり見えない場所にあったのだろうか。録音場所はフランスの地方都市ナンシー。EMDというレーベルには聞き憶えがない。しかし、お聴きになれば納得して頂けるように、埋もれていくには惜しまれる内容だ。有名スタンダードが3曲あるけれど、これはあまりスタンダードらしくない演奏でプレイヤーの才気を示すもの。本領はそれ以外のオリジナル曲にある。バラードとアップテンポなものが半々になっていて、ほぼ入れ違いに登場する。後者はタイナーやハンコックの影響が色濃く感じられるスリリングなもので、ドラムスの活躍も素晴らしく、トリオのレベルが伺い知れる。
しかし、敢えて、やはりバラード演奏に魅力の中心がある、と言おう。特にボサ風味のTr.1は淡い感傷が心地よく印象的だ。あと10年ばかり埋もれていれば琥珀の眠りよろしく「幻の名盤」の仲間入りといったところだったが、さすがに目ざといサワノは早々に掘り起こしてしまった。そして勿論その方が作品自体はもとより、演奏者にとっても幸福に決まっている。まだまだ「伸びしろ」のあるピアニストだからだ。その名はピエール=アラン・ゴルシュ。憶えておいて損はない、と言っておこう。
FEATURED ARTISTS
Pierre-Alain Goualch : piano
Christophe Levan : bass
Franck Agulhon : drums
TRACKLIST