LA NUIT - PERRINE MANSUY TRIO

完売

LA NUIT
ペリーヌ・マンスゥイ・トリオ

Release Date : 01/21/2004
Product Number : AS035
Recording : 1997
Format : CD

ひとつ、またひとつ……。夜のしじまに現れる繊細な旋律が燈す、灯り。浮かび上がった蒼く、美しい、シルエット。“夜”と名付けられたこのアルバムの、語り過ぎない“表現”からは得も言われぬ余情が溢れ出す。

“夜”と名付けられたペリーヌ・マンスゥイ・トリオのアルバム。雪の結晶のようにセンシティヴで透き通ったピアノの音色と、空間に響く音数の少なさは、聴き手のイマジネーションを静かに呼び起こす。センテンスの間からふわりとした情感が立ちのぼる村上春樹の小説や、言葉の隙間に生き生きとした情景が宿る松尾芭蕉の句のように、語り過ぎない“表現”には、得も言われぬ余情が溢れ出す。

真夜中の湖畔の静寂を心に映したようなTr.1「Tacha」での幕開け。偏西風にのって大空を駆けるような#2「Old Devil Moon」や、爽やかな風がワルツのスウィングを誘うTr.5「Folk Song」など、いい音楽にはいつも“風”が吹く。女性の感性を秘めたルイス・ヴァン・ダイクのような優しさを思わせる#7「Le Petit Prince」や、彼女がインテリジェンスを兼ね備えた女性であることを気づかせてくれるTr.8「Funkallero」。淡い光が弾けるようなファースト・タッチから温もりに満ちた語り口で聴かせるTr.9「Conte Pour Enfants」や、澄みきった音の残響の先にピアノに向かう彼女のシルエットが浮かぶようなTr.11「Solo」。それらは、静寂に包まれた物語を読み終え、そっとページを閉じた時のように、狂おしいほどに印象的な余韻を残す。

そして、特筆すべきはアトリエ・サワノが見つけ出したリエコ・ヤマモトによるジャケット・デザイン。その色合いやフォントづかいはアルバムの雰囲気とペリーヌの愛らしさを美しく見事に表わしている。