ANYONE WHO HAD A HEART - JOE CHINDAMO

オーストラリアジャズ界第一人者、ジョー・チンダモによるバート･バカラック作品集。澤野工房とジョー・チンダモが出会うきっかけとなった名作。この度待望の復刻が遂に実現！バカラックへのリスペクトが見事に表現されたまさに宝物。

長らく廃盤になっていたジョー・チンダモの希少な作品『Anyone Who Had A Heart』が復刻された。1961年メルボルン出身のジョー・チンダモ。澤野工房が日本に紹介して以来すっかり人気が定着した感があるが、もともと映画音楽の作曲家として音楽活動をスタートしたことは意外と知られていない。チンダモは2001年にも｢Paradiso｣という映画音楽集を発表している。今作品はそれを遡ること4年、1996年に録音されたバカラック集。

バート・バカラックを一躍世界的に有名にしたのは、やはり「何かいいことないか子猫チャン」（1965年）、「007/カジノ・ロワイヤル」（1967年）、「失われた地平線」（1973年）「明日に向かって撃て」（1969年）といった映画音楽。バカラックはバップ全盛期のデイジー・ガレスピー、チャーリー・パーカー、タッド・ダメロンといったジャズメン、近代クラシック音楽の世界において、常に革新的なサウンドを追求し続けた天才作曲家ラヴェルに大きな影響を受けたと語っている。

そのせいかバカラックの楽曲はジャズとの相性も抜群にいい。ポップで気まぐれ、大胆な曲構成と美しいメロディがオンリー･ワンの輝きを持っている。この作品では、チンダモのバカラックへのリスペクトが見事に表現されている。きっと手にした人にとって宝物になるはずだ。