DREAMSEEKERS - FREDERIC NOREL
DREAMSEEKERS - FREDERIC NOREL
DREAMSEEKERS
フレデリック・ノレル
Release Date : 03/26/2010
Product Number : MEL666006
Recording : 2009
Format : CD
エドゥアール・フェルレがプロデュースするレーベル「Mélisse」より、美旋律のマジシャンが登場!ヴァイオリンの豊かな詩情と調和が魅惑的な至福のアルバムが誕生。
グラッペリ、ポンティ、ロックウッド、ピファレリというように秀逸なジャズ・ヴァイオリン奏者を輩出してきたフランスでは、また新たな逸材に光が当たっている。このアルバムの主人公、フレデリック・ノレルである。彼の初アルバム『ドリームシーカーズ』では、ひたすらに美しいメロディが全体を通して持続する。過度の甘味とかドラマ性に頼らず、むしろ淡々として、絹天のごとくまろやかな歌心から、いくつもの珠玉のメロディがシャボン玉のように飛び立っていく。ノレルはまるで美旋律のマジシャンだ。全体的に透明感のある音質なのだが、それでいて色感もあわせもっている。クラリネット類やサックスとヴァイオリンの音の調合には強いこだわりが感じられる。スイングやビートやエモーションを際立たせることをしない。すでにジャズ演奏者として多彩なキャリア(ルイ・スクラヴィス、エドゥアール・フェルレ他多数)があるが、ジャズの名のもとで世に流布してきたレトリックを借用することをきっぱり止めた爽やかさがある。新鮮な香りがそよ風に乗って通り過ぎていくような幸福感を何度も味わえる音楽である。ドビュッシーやラヴェルを育んだ国の人の音楽だなとも思う。
実はノレルは映画・演劇のための作曲家としても著名であり、豊かな実績がある。曲名には「芽生え」とか「まえぶれ」とか「降りやまぬ雪」とか、どこか詩情を誘う言葉がちらついているので、勝手にストーリーを思い描いてしまう。ドビュッシーはマラルメの詩を「牧神の午後への前奏曲」という音楽で解説したが、『ドリームシーカーズ』でその逆みたいなことをしてみたくなる詩人か映画監督がいるかもしれないな。
FEATURED ARTISTS
Frédéric Norel : violin
Alexandra Grimal : sax
Jean-Marc Foltz : clarinet
Benjamin Moussay : fender rhodes, claviers
Arnault Cuisinier : bass
TRACKLIST