NEVER LET ME GO

Mellow100%

品番:AS066

NEVER LET ME GO
ロバート・ラカトシュ・トリオ

Robert Lakatos : piano
Fabian Gisler : bass
Dominic Egli : drums

録音年:2007年 発売日:2007.4.20

至福の夜へと誘う絶品のバラード。やわらかな灯り、香る薔薇の花束……約束された甘い時間(とき)。繊細を極めたラカトシュのピアノが表現する深い美の世界。

価格 2,571円(税込)

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コイツは音が良い。ピアノもベースもドラムスも実に深い響きを伝えてくる。空間を感じさせる見事な録音だ。皆さんはもしかしたら「そりゃサワノだもの」と、ありがたくも仰るだろうか。たしかにその点自負してはいるが、それにしても、というところなのだ。

そういうわけで、所謂「サワノ・サウンド」の愛好者はまず必聴です、と申し上げる。しかし、CDに収められた音楽を一杯の珈琲に例えるならば、それはとりあえず器が良いという話でしかない(……ぜいたく?)。問題はもちろん、珈琲そのものだ。その味わいはと言うと、非常にコクがあり、口あたりがなめらか。これは数種の豆をやや深めに焙煎したヨーロピアン・ブレンドをアルプス水源のミネラル・ウォーターでじっくりと淹れたものに違いない。豆…演奏者…の産地はハンガリー(p)とスイス(b、ds)だ。

Lakatos二年越しの新作は前作にも増して味わい深いものに仕上がった。前作を聴いた折には古代桜のつつましい花盛りを想起したものだが、今回はある意味もっと艶のある美しさだという気がする。アンティーク家具の、磨き上げられたマホガニーの木肌に夜の灯りが室内を映し出す。その中に見えるものは花瓶に溢れんばかりの真紅の薔薇……。本当に繊細に選ばれたソロの一音一音がテーマ・メロディの世界を鮮やかに表現し、テーマが美しければ美しいほど、ソロもまた美しい。もちろん、それはバラード演奏において最高度に結実する。表題に選ばれたTr.2はまさに絶品だ。

寛ぐつもりで飲みはじめた珈琲に、気がつけば何か呼び覚まされ却って心昂ぶっている、そんな自分に出会うかも知れない。おかわりが欲しい?ご安心あれ。この音楽は今日からずっとあなたのそばにあるのだから。

Text by 北見 柊

 

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