AVANTI!

Quiet100%

品番:SKE333015

AVANTI!
ジョバンニ・ミラバッシ ピアノ・ソロ

Giovanni Mirabassi : piano

録音年:2000年 発売日:2001.2.28

響け!魂の歌よ。「こころ」の叫びを調べにのせて、静かに、そして強くピアノが歌う。ミラバッシが新たなる地平を切り拓いた!革命歌、反戦歌というハードな題材だが、逆境にあっての歌ほどにシンプルな美しさ、切なさを秘めている。

価格 2,571円(税込)

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ブックマーク

ジョバンニ・ミラバッシの新作が届いた。豪華なブックレットが付されている。そこに収められた写真には兵士や民衆、農婦やゲリラや革命家が映っていて、自ずと彼が求めた題材を示す。

このアルバムは革命歌、反戦歌、或は民衆の歌の私的なコレクションだ。フォーマットはピアノ・ソロ。デビュー作のトリオがロマンティシズムの薫る逸品だったことを思い合わせると、これは確かに冒険だ。けれども、チリの反独裁歌であるTr.1が流れ出すと、そのメロディの美しさに思わず耳を疑ってしまう。正直なところ、何の知識もなければ題材のハードさを想像することは難しいだろう。そこにあるのは、深夜一人で耳を傾けるに相応しいような深々とした静かな響きだからだ。

先に言ってしまうと、上質なBGMを求める人ならブックレットを無視してこのCDを手にしても、決して損はしない。ただ、漸くキャリアのきざはしについたばかりのミラバッシが敢えてこの作品を手がけた意味を考えるとき、それだけではいささか味わい足りない気がする。ここに集められた歌たちは時と場所こそ違え、多くの人々に「人生の一部」として歌われたものだ。

人は苦しいにつけ悲しいにつけ歌うのだな、としみじみ思うが、逆境にあっての歌ほどにシンプルな美しさ、切なさを秘めている。きっとそこにはやむにやまれぬ「こころ」が込められているからだ。おそらく、立場や思想を超えた所にあるその「こころ」をミラバッシは表現しようとしたのだろう。そう考えてブックレットを眺めるとき、彼の想いは更に染みてくるようだ。それは何か祈りに似ている。自由度の高さゆえ、却って「垂れ流し」に堕しがちなピアノ・ソロが、ここでは見事に抑制された形に昇華されていることも特記しておく。

Text by 北見 柊

 

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